2012年3月31日土曜日

蔵王 熊野岳 山スキーでビバークするはめに

【山域】奥羽山脈
【登山方法】山スキー
【天気】曇後雪:ブリザード
【距離】11.6km
【コースタイム】
リフトトップ(09:00)-刈田岳分岐(10:30)-馬の背1,740m(11:00)-刈田岳分岐(11:30)-レストハウス避難小屋(11:45)
 リフト2本乗り継いリフトトップに着き、ゲレンデ脇でシールをつけて歩き出す。熊野岳も刈田岳も山頂がよく見える。山頂の神社まで見える。道標に従い歩き始める。30分ほど歩くと御田の神の避難小屋が見えてきた。雪原で吹雪かれたらOUTだなーなんて思いながら通り過ぎた。県境裁判を忘れるなと書かれた廃墟になったリフト小屋の前を通り過ぎる。ここからはもう使われていない夏用リフトに沿って登る。リフトトップから少し行くと稜線に出た。
 刈田岳分岐を左に曲がり熊野岳へ向かう。この辺りで少し風が少し強くなってきて空が崩れ始めてきた。それでも2名の先行者が熊野岳に進んでいるのが見えていた。先に進むと段々と視界が悪くり風も強くなってきた。まだ天気が完全に崩れるまで時間があるだろうと思い先に進む。30分ほど登り馬の背の辺りに来るとますます風が強くなり雪が激しくなってきた。仕方が無いここらで降りるかと馬の背途中でUターンした。刈田岳の分岐点まで戻ってきたがライザに向かうコースの道標が全く見えなくなっていた。
 分岐点に戻ってきたことはGSPと案内板から間違いないのだ次の一手が見えない。進む方向を確認しようとコンパスを取り出してみると、え...中身がなくなっている...頼むよSILVA~泣き。(小屋に逃げ込んでから確認するとジャケットの内側に中身があったが。)
 残念ながら私のGPSには電子コンパスがついていない。コンパスもなく方向感覚だけで無理に降りても途中2ヶ所の雪原を越えていく自信がない。雪原でツェルトビバークになることはなんとしても避けたかった。幸い熊野岳と刈田岳の稜線の道標は太く間隔も短のでなんとかまだ辿るくことができる。刈田岳に向かう途中のレストハウス2階が避難小屋として開放されているのは知っていた。明日は天候が回復されるはずなので無理に降りるより避難小屋で一晩過ごして降りるほうが安全だろう。そう判断して道標を辿りレストハウスにたどり着いた。はしごを登り雪に埋もれた入り口を掘り起こす。入り口からパックを放り込み自分も中にはいる。難小屋に文字通り避難できてほっとる。この中なら一晩過ごしても大丈夫だろう。
2007年の写真
 小屋の中を見渡すとダンボールがあった。ダンボールはマット替わりになるし下冷えを防ぐことができて助かった。本当なら昼ごはんの時間だったが食料は大事にしないといけない。クッキーとチョコレートを一口ほおばるだけで我慢する。
 会の山行管理者に悪天で下山が遅れる旨を伝える。家族にも悪天候で本日帰宅できないと伝える。単独の雪山行なので携帯電話が使える山域を選んでおいたよかった。外はどんどん風が強くなり、目の前にあるはずの道標支柱すら見えなくなっていた。無理しないでよかったと胸を撫で下ろす。
 ひとしきり連絡を済ますとすることはなくダンボールの上でレスキューシートとツェルトに包まりじっと時間が過ぎるのを待つ。早く日がくれて夜が開けないかなと思っても時間はなかなか経たない。震えるほどの寒さでないのだが、だからといって眠れるほど暖かくもない。外からものすごい暴風音が聞こえてくる。一晩中ブリーザが吹き荒れていた。

一晩共にした道具達
行動食
 おにぎり2個、エナジーバー1本、ウィダーインゼリー1個
 チョコレート、クッキー
非常食
 エナジーバー2本
飲料水
 サーモスに300mlくらい
 500mlアクエリアス
非常用装備
 レスキューシート、ツェルト、カイロ1個、メタ2個
 携帯電話の予備バッテリー
 ヘッドランプ、GPSの予備電池

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